記事中の年は2015年です
▼目次
始めに
「IR導入可能性調査報告書」は数々の問題点があり「デタラメ」と言って良いでしょう。1月28日から市に何度も問い合わせを繰り返し、「市長への手紙」でも問い合わせてますが、納得できる回答はありません。
市は多分「間違いました、訂正します」とは言えないので何とか「新理論」「新言い訳」「ハグラカシ」の後付で対応を考えてます。過程で「嘘」も入り込み、益々窮地に陥ります。
これは「公務員の無謬性(ムビュウ)」と言って公務員には間違いはない(間違いを認めない)とする考え方です。聞くところよると市職員の「精神疾患対策」が課題になってるそうです。しかし、間違った報告書で「バクチ場」が設置され市民の生命(自殺)・財産(破産)が失われないようにすることも重要です。
市の情報公開で入手した資料を解析すると「デタラメ」になった理由も分かってきました。こうした事も紹介していきます。
報告書の問題点
報告書の問題点を整理すると下記の様になります。
1.千葉県所有の土地に勝手にカジノ及び関連の施設を建設する計画
土地が利用できるかは県に打診さえしてない。
詳細は「カジノ検討地、地主に利用の打診はしてない」
2.依存症等の社会的リスクの評価や対策がおざなりである。
千葉県の同様の報告書では「これらの懸念事項は、どのようにコストを投入
しても完全には無くせないとの認識は共通IR誘致に際し、回避すべからざる
問題点と評価」
詳細は「幕張新都心カジノ 社会的リスク対策は考慮せず」
3.共食い(既存と、新設の施設との競合)を無視している。
例、道路の向こう側にある幕張メッセ以上の規模を計画
( 幕張メッセは事実上赤字)
詳細は「幕張新都心カジノ 道路の向こう側にある幕張メッセをもう一つ造る」
4.カジノの利益率を10%とした根拠は不思議。
詳細は「幕張新都心カジノ 不思議な利益計算」
5.外国人来場数を過剰(桁違い)に推計してる。
詳細は「幕張新都心のカジノ, 外国人は全員が1.38回、日本人は10人に1人が来場と「設定」 改定版」
6.シンガポールのカジノをモデルとしている。
シンガポール 外国人(主に中国人富裕層)90%
1回の客単価(負け金)26,000円
幕張新都心 日本人主体 外国人の割合 36.6%(5.による訂正前)
1回の客単価(負け金)26,000円(シンガポール流用)
実際はこうなると予想(報告書での想定日本人)
・パチンコ客 ->1回の客単価2,660円(+1万の入場料)
-> ほとんど見込めない
詳細は「パチンコ愛好家は中国人裕福層より金持ち」
・お台場にカジノができたら行くかとの調査を利用
入場料1万円を想定してない調査を利用している。
-> ほとんど見込めない
詳細は「幕張新都心カジノ,・・・・」
報告書では入場料1万円の制限効果を考えてない
7.野球場の入場者の10%がカジノへ行くと設定。新規開発型は野球場を壊して
カジノ等を建設。自己矛盾
詳細は「幕張新都心カジノ、潰す野球場からも集客。デタラメの極め付け。」
8.「IR導入可能性調査報告書」の可能性は検証されてない。
詳細は「幕張新都心カジノ 熊谷千葉市長のマニュフェストと報告書改訂版(マニュフェストをかえた) 」
「幕張新都心におけるIR(統合型リゾート)導入可能性調査報告書」 概要
2015/01/13の午後千葉市のホームページで公開されました。
調査報告書本編(5.84MB)PDF
調査報告書概要版 (4.16MB)PDF
千葉市が血税約340万円で調査会社に調査をさせていました。ザット読んだ限りではヤッパリなと言った内容です。
所詮この手の報告書は発注者(千葉市)の意図に反した内容にはなりません。例えば清掃工場建築で環境アセスメントを行う時と同様です。発注者の意図に反した内容にすると2度と注文がきませんし、他の自治体からも「お座敷」がかかりません。
以下に「解説」します。(今後訂正・加筆して行く予定です)
以下次の略語を使用します。
調査報告書本編 -> 本編
千葉県 カジノ・MICE機能を含む複合施設の導入検討調査(
-> 県版
本編も県版も似たような手法で報告書を構成しています。
海外にあるカジノ地区を紹介してる。当然であるが、本編、県版も最悪のカジノと言われてる韓国カンウォンランド(場内での自殺者48名、場外推定500名)、破綻した米国のアトランティックシテイ(住民4万人、年間3000万人の集客)は取り上げてない。
社会的リスクは本編も県版も、依存症、カジノに係わる犯罪リスク、青少年への悪影響リスク等をあげている。編集者は最大の問題点は「依存症」と考えてる。
「依存症」にあるように根本解決策はない。究極は自殺、破産である本編も県版もそこまでは当然踏み込んでいません。
経済的効果は所詮「取らぬ狸の皮算用」である。本編では収入の方には超詳細に試算していますが、社会的リスク対策にかかる費用は試算していません。県版では「これらの懸念事項は、どのようにコストを投入しても完全には無くせないとの認識は共通IR誘致に際し、回避すべからざる問題点と評価」つまり儲けた金を全てつぎ込んでもリスク回避はできないことになります。
どんな施設を作るのか? 2案を提案しています。
第1案 本来のIRとしての施設はもうすでにあるので、カジノと高級ホテルのみつくる。
場所として東京ガス隣接地 (建設時税収は省略)
これによって千葉市に持たされる税金10.1億円億円
カジノ新税(納付金、入場料) 211.6億円
第2案 本来のIRとしての施設はもうすでにあるがもう一組新設する。
場所として幕張メッセの駐車場、公園(建設時税収は省略)
これによって千葉市に持たされる税金48.3億円
カジノ新税(納付金、入場料) 312.9億円
「カジノ新税」の名称は編集者の命名です。IR推進法案の「第8条で国及び地方公共団体は、別に法律又は条例で定めるところにより、カジノ施設の設置及び運営をする者から納付金、入場料を徴収することができるものとすること。」となってますが、各の取り分等はこの通りなのかも国会では審議さえされてません。海外では外国人から入場料は取らないとかもあるので、日本人の入場料は1万円としてますが国では8、000円にしようとかの話もあります。客単価を26,000円で計算してるのでこれに入場料を加算すると36,000円になるさてどうですかね。
この本編で一言も触れてないのは「共食い」です。元々IRはカジノを作ると言うと即反対されるので収益性が低いホテル、展示場、会議場等を併設してカジノの収益を回そうとするものです。カジノへ客を増やすためにホテルの宿泊費をタダにさえしても成り立つとする考えです。これを「コンプ」と言い米国の例ではカジノの収入の30-35%にもなります。本編では収入から「コンプ」を引いてません。さらに、第2案は大問題で隣接するIRでホテルの宿泊費をタダされては既存のホテルは倒産です。こうした負の経済効果は全く試算されてません。こうした問題点は「米国のカジノ IRカジノが破綻した街」に書いてあります。
繰り返し書きます。経済的効果は所詮「取らぬ狸の皮算用」です。
まだ法律上はIRの考え自体を含め何も決まっていなく見通しも立っていません。
総括(?)
IR推進法案の 第二 定義抜粋
特定複合観光施設とは、カジノ施設及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、民間事業者が設置及び運営をするものをいう。
とあります。こうなると第1案(カジノとホテル)は該当しないと考えられる。これは報告会で市側も懸念していました。
第2案はもうすでに幕張新都心にあるカジノ抜きのIRを、もう一式カジノ付きで作ろうとするもので「ムチャクチャ」です。道路の向こう側にある展示場や国際会議場等又作ることになります。報告会では第2案は参考用と説明していました。推進法成立 -> 実施法成立 -> 設置したい地方を公募 となるが千葉市は立候補できるのか?
推進法案もどうなるか分からないし、見込みがないことに職員を貼り付け置くことは、職員の士気にも影響するし、金の無駄使いでもあります。
市長のマニフェストでは「研究」となっていて「設置」とはなっていないのでもう止めよう。政治家がメンツにこだわっていてはろくなことにならない。
市への問い合わせの第1弾と第2弾
市への問い合わせを行った時の記録です。分かりにくくなってます。報告書の問題点で整理してあります。原文を見たい方は参考にして下さい。
行政のこの手の回答は都合が悪く答えられない項目は「トボケテ」回答しません。回答できるものは如何に「ハグラカシ」かに終始します。くだらない事にひたすら時間をかけます。全く税金の無駄遣いです。住民運動を同時に数件、10年位やった経験ですべてを知ってます。回答を受け取りに行った時に中身を見ないでも内容が見当が付くと言い「再質問をすると告げて」帰ってきました。そんな訳で再質問制作に時間がかかりました。こうしたキャッチボールを続けるとそのうち回答がこなくなります。そのときの対策は3段階先まで考えてあります。すべて長文です。解説や要旨は順次行っていきます。取りあえず文書を公開します。
番号順に読んで見て下さい。1番でわからなかったら2番と言った具合です。本来は逆順ですので時間があったらその方が良いと思います。
回答は第1弾と第2弾をまとめています。
1.見解(訂正版) 1,2弾用 5月7日
2.回答 前半部分 4月30日
3.再々質問(new) 再回答も含まれてます。
4.再回答
5.再質問
6.回答
7.第2弾質問 下の方にある第2弾と同じです。解説も参考にして下さい。
8.第1弾
・打ち合わせメモ1
・カジノ利益率の考察
・プロパガンダ
市への問い合わせの第3弾
市への問い合わせを行った時の記録です。分かりにくくなってます。報告書の問題点で整理してあります。原文を見たい方は参考にして下さい。
4月5日追加
お粗末な委託調査会社の単純ミスを市側が見逃したために「非論理的な回答にならない回答」を繰り返しています。根っからの「技術者」である編集者には不思議な世界です。論理的に間違えたものは直ちに訂正が必要です。間違えたものは訂正しないと「はやぶさ2」は地球に帰ってきません。コンピュータソフトの世界は間違いを直ぐ訂正します。世界のマイクロソフトさえ訂正は日常茶飯事です。「公務員の無謬性」もあり市側としては訂正しますとは言えず回答にならない回答を繰り返すしかないのでしょう。「因果な仕事」と言うしかない。「バトル」を見たい方はどうぞ。
3月5日追加
回答は報告書112ページの繰り返しで新味はありません。時間・手間(人件費)の無駄使いです。回答とよべるものではありません。こうした事に2週間もかけます。最近は電子メールでやりとりをしてます。
1.見解 3弾用 5月7日
2.回答 後半部分 4月30日
3.再々質問 打ち合わせメモ9(電子メール)4月5日 再回答分も入ってます。
4.再回答[施行]回答(270401)4月1日
5.再質問 3月3日「経済産業省のシンガポールIRに関するレポート」pdf 約5.5MB
読まなくても支障はありません。
6.回答 3月2日
7.第3弾「質問」(訂正版)はこちらです。(打ち合わせメモとなってますが実際はFAXです。) 2月16日
要旨
幕張新都心にカジノができたとします。幕張メッセで例えば妖怪ウォッチのイベントがあったとすると日本人は大人・子供の10%がカジノに行く試算をしています。一方外国人は138%(外国人は全員1度は行き、さらに38%は2度)カジノに行く試算をしてます。日本人の10%も問題がありますが今回はさておきます。外国人の138%は異常な数字です。外国人は一般人で「カジノツアー」とかで来た人ではありません。どうしてこうなったのか本報告書を調べるとモデルとしたシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズの客数等の数字の解釈の間違いから計算した「138%」の数字をそのまま幕張に当てはめた結果です。わざと同じように間違えると日本人は全員2.7回カジノに行くことになります。
「138%」の異常さに最後まで気が付かず堂々と報告書を制作したことになります。
詳細は幕張新都心のカジノ, 外国人は全員が1.38回、日本人は10人に1人が来場と「設定」
*こうした事を丹念に調べるには出典や関連資料(海外も含め)をインターネット検索したりして結構時間がかかります。しかし、「間違った儲け話し」でカジノを造らせるわけにはいかない。