IRの整備計画の認定申請が22.4.28締め切られました。

千葉市は申請しませんでした。
どこが認定されるかを見極めるまで当サイトは継続します。

IRの整備計画の認定申請された内容22.4.28 

大阪市が認定されました 23.4.14

シンガポール依存症対策は有効? 民進党IR議連会長発言の考察  改訂版

改訂版 表3を入れ替えました。 2016.12.13
「IR推進法」は2016.12.15に成立しました。しかし、これで「バクチ場」がアッチコッチにできるわけではありません。未だ先が長い。
「博打場」設置への道のり 2016.12.15日更新

2016臨時国会で「IR推進法案」をわずか2週間で成立させようとの驚きの展開になっている。(2016.12.5現在)
こうした時期2016.11.24に「民進党IR推進議員連盟 設立総会」を開き気勢(?)を挙げたようである。その後、民進党は党としては反対すると決めたらしい。いかにも泥縄である。政権奪取にはほど遠い。泥縄は公明党も似たようなものです。

編集者が注目した議連会長発言の引用

シンガポールは、IR導入を機にギャンブル依存症対策を整備し、その問題を改善した実績

こうした推進派の主張があることを「カジノ幻想」で鳥畑与一氏が指摘し、「慎重な検討が必要としている。」(168頁)としてます。
まず、シンガポールの実態から。
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表1
全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会設立1周年 5.9シンポジウム (2015.5.9) 基調講演 鳥畑与一氏 から引用

依存症対策の項目があります。その対策として入場規制がありますが、にもかかわらず2010.6に1,669人だったのが2015.3には250,497人になってます。
(2016.9では316,964人になってます。資料1 11/46頁 下段)

「カジノ幻想」ではこの表の数字は実際にカジノに行って問題になった人だけではなく、予防的な人もいるので、それらを修正した解説があります。162~167頁

その問題を改善した実績としてるのは下記と思われます。
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表2
院内学習会 カジノ解禁について考える 2016.11.10  鳥畑与一氏 講演 から引用(赤線は編集者)

表2を見ると確かに改善してると言えるでしょう。
「カジノ幻想」168頁では下記のような見解があります。

 しかし、回答者中のカジノ参加率も7%から2%に減少しており、回答率が81%から73%に減少してることも踏まえると、この依存症率の減少が市民のカジノ参加度の減少結果なのか、それとも回答の拒否の結果なのかは、慎重な検討を必要としている。

「回答拒否」に関してはありえます。「カジノ幻想」でも他の所では依存症は「否認の病気」、「隠す病気」とあります。

以上が編集者が解釈した鳥畑与一氏の見解です。

僭越ながら、編集者がさらに考えたのは以下の通りです。
注目したのはギャンブル依存症は完治しない不治の病です。詳しくは続・依存症 「一度たくあんになった脳は二度と大根には戻らない」 改訂版
とするなら、ギャンブル依存症の人は亡くならない限り減りません。ギャンブル依存症対策に取り組んでいる人は「完治」でなく日常生活が出来るようにする「回復」と言います。「回復」しても「スリップ」現象でまた戻る人もいます。報道で有名人が覚醒剤で繰り返し逮捕されるのと似てるのでしょう。表2ではギャンブル依存症の人は明らかに減っています。
さらに、依存症かどうかの判定に「DSM―Ⅳ」を使用してます。
この判定基準は「人格障害の診断」に使用されるようです。ギャンブル依存症の判定に適切なのかは編集者には判断できませんし、具体的にどのように面談者に質問するのかも分かりません。
一方、厚生省の調査班が行ったのはギャンブル依存症の判定基準のSOGS(サウス・オークス・ギャンブリング・スクール)で、国際的共通基準とされてるようです。
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表3
カジノ幻想の175頁から引用

表3で5点以上が病的ギャンブラーと判定

厚生省の調査班は2008年です。その後厚生省厚生省が2014年に同じ判定基準で行って結果はほぼ同じです。日本のギャンブル依存症は536万人と衝撃な数字となってます。
これからも、「ギャンブル依存症は完治しない不治の病」が裏付けらたと編集者は考えてます。

鳥畑与一氏の見解のように表2は「慎重な検討を必要とします」軽々に「その問題を改善した実績」とは言えません。

尚、「回復」した人が依存症の判定基準で病的ギャンブラーでなくなるのかは不明です。日本では「回復」した人は536万人中2000人と推定されてます。
続・依存症 「一度たくあんになった脳は二度と大根には戻らない」 改訂版の後半を参照して下さい)

シンガポールでは「回復」した人は不明ですが、「カジノ幻想」の167頁ではギャンブル相談者等は毎年数100名のようです。シンガポールでカジノ経験者は22.6万人と推計してます。(「カジノ幻想」の165頁)

ギャンブル依存症になるのは7、8年から始まり10年と言われてます。シンガポールのカジノ開業は2010年です。シンガポールにはカジノ開業以前に競馬等もあり、周辺国にはカジノもあります。2010年開業後にカジノに通い始めた人のギャンブル依存症の発症はこれから本格すると思われます。

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