IRの整備計画の認定申請が22.4.28締め切られました。

千葉市は申請しませんでした。
どこが認定されるかを見極めるまで当サイトは継続します。

IRの整備計画の認定申請された内容22.4.28 

大阪市が認定されました 23.4.14

千葉県調査報告書の検証 精密と粗雑(根拠不明)が混在 情報公開で本編を入手

千葉市の「IR導入可能性調査報告書」のデタラメさにはあきれるばかりです。特にカジノ来場者数の推計は酷い。千葉県も同様な「カジノ・MICE機能を含む複合施設の導入検討調査報告書 概要版」をインターネットで公表してました。現在はネットから削除されてますが、編集者が保存してましたので こちらから閲覧できます。

注 2016.2.1県に確認すると削除されてなくまだ公開されてました。

概要版で特に注目したのは以下です。
1.日本人のカジノ来場者を年収別や確実にくるかの「2段階」調査で推計
2.社会リスクの評価
これに関してはすでに紹介してます。
概要版では具体的なことは分からないので県の情報公開条例に基づいて本編の開示請求し一ケ月強で入手できました。本編をどうしてネットで公開しないのか不思議でした。担当者は本編は電子ファイル(PDF)でなく製本されて納入されてる、またそれ以外もあるような雰囲気でした。読んだうえで「邪推」すればあまり知られたくなかったのでしょう。横浜市の報告書も議員の方が「隠して」(実際は検索されない)いると言ってました。

報告書の構成
正式名称:カジノ・MICE機能を含む複合施設の導入検討調査業務
公表日 :平成24年3月
制作者 :株式会社三菱総合研究所
「研究スタッフは日本最大級の約700名」ホームページの会社案内より
ページ構成: 全115ページ アンケート調査の内容は34ページ
立地  :カジノ建設は成田地区としていて所番地までは特定してない

報告書の総括
作成者が行ったアンケート調査はあまり関係ないようなことまで詳細に記述されていますが、経済効果(カジノの儲け)の計算に用いる係数は出典や計算式の明示もなく、いきなり数字がでてきます。検証は困難なものもあります。概要版をみて期待してましたが残念です。
「全国カジノ賭博設置連絡協議会設立1週年 5.9 シンポジウム」から

講演開始前に編集者が単独で行った会見
A.全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会 代表幹事(弁護士)新里 宏二
編集者 千葉市が出した「IR報告書」があまりにも酷いのですが。
例えば、外国人は全員が1.38回カジノに行く、野球場の来場者
の1割はカジノに行くとしてながら野球場を潰してカジノを建設す
るそうです。
新里氏 この手の「報告書」は何処もそんなものです。何処が作りまし
た。
編集者 公募で一番安いところ「日本経営システム株式会社」です。
新里氏 「...」
編集者 ホームページを見ても何をやる会社かわかりませんでした。

メジャーな会社でも程度はあれいい加減。日本にはどこにもカジノはないし、海外のカジノでも肝心なことは非公開が一般的です。まともな報告書を作れるわけはない。カジノの利益などはさじ加減でどうにでもなる。技術屋(工場のコンピュータ制御等)として長年やってきた編集者には理解できない世界です。理系(技術)の世界では立派な能書きを並べることは可能でも検証できないことを引き受けると会社を潰す。

報告書のカジノの儲け計算
報告書ではA案として日本文化体験型(歌舞伎、和スイートルーム等)とB案の大規模複合型(シンガポールモデル)がありますが、ここではB案だけ取り上げました。
日本人の来場者数と消費単価
調査はインターネットで行っています。前に指摘しました様に信頼には問題があります。

  「無作為抽出をしていなとか、金ほしさに不正をするとか疑問が指摘されてる。(回答すると金を貰えのもある)統計学に基づく世論調査ではない。」

調査対象者 首都圏居住者 年収1,000万円以上 500人
首都圏居住者 年収1,000万円未満 500人
全国居住者  年収1,000万円以上 500人
合計              1,500人

カジノでの使用金額の意向(62ページ 本編)

カジノでは、1日いくらぐらい使うと思いますか。払い戻しを含めた清算後の金額でなく、チップやメダルに交換する金額の合計をお答えください。
参考)ラスベガスのカジノで旅行者1人が消費する金額は1日1万5千円~2万円

編集者にとってこの設問の意味が良くわからない。ズバリ「賭け金」とか「負け金」にすべきでしょう。「チップやメダルに交換する金額」なら「賭け金」だろうし、「消費する金額」なら「負け金」になると考えられます。回答者はどう受け止めたのでしょう。
「払い戻し」を考えるなら還元率(控除率)をどうするかが問題になります。競馬なら75%程度です。報告書の後半ではこの金額は「負け金」として計算してます。
これもあえて「邪推」すれば、還元率の問題を避ける為と金額を高めに誘導する為に曖昧にしたと考えられます。報告書では「負け金」の言葉は出てこなくもっぱら「消費金額」を使用してます。
また、この設問で最大の問題は設定した「入場料6,000円」を提示してないことです。6,000円は無条件で「負け金」です。回答に影響をあたえるでしょう。逆に与えないとする入場料による制限効果は出来ないことになります。入り口の設問自体インチキです。因みに入場料は千葉市で10,000円、シンガポールでは8,000円です。
報告書では年収別の使用金額(消費金額)記載されてます。評価できる調査方法として来場するかを2回してます。

 1回目 五段階 是非行ってみたい 行ってみたい あまり行きたくない
行きたくない 分からない
2回目 パーセント 100% 80-99% 60-79% 40-59% 20-39%
1-19% 0%
首都圏×年収1,000万円未満と首都圏以外×年収1,000万円以上については、一回目の設問で「是非行きたい」と回答した者のうち、二回目の「設問に「100%」と回答した者を確実と見込める回答者と評価した。
首都圏×年収1,000万円以上の回答者については、一回目の設問で「是非行きたい」または「行きたい」と回答した者のうち、二回目の「設問に「100%」と回答した者を確実と見込める回答者と評価した。

報告書では「極力低め(堅め)の評価値となるよう配慮した。」となってます。これから下記のようにしてます。
来訪者  年回来訪頻度   延べ数
首都圏   年収1,000万円以上  9.6%     2.8回  63.9万人回
首都圏以外 年収1,000万円以上  5.4%     2.2回  46.1万人回
首都圏   年収1,000万円未満  9.6%     2.8回  133万人回
合計                           243万人回
注意 母集団は世帯数
「消費単価」                     35,000円/人日回

海外客の来場者数と消費単価
回答があった国内旅行会社12社のカジノをできたらどの位観光客が増えるかを聞いて30.8%とした。母集団は成田国際空港の旅客数として130万人とした。
*これは、編集者が別な手法で推計した0.32(=32%)とほぼ一致します。
「消費単価」は国内の35,000円の倍の70,000円とした。倍にした根拠は示されません。要は「エイヤア」です。

カジノの収入・支出

収入 1,760億5千万円
支出 経費率 31.1% 経費率対象はカジノ収入

以上になってます。経費率 31.1%の根拠(出典)は示されてません。儲けは約70%となります。因みに千葉市は10%です。

収入の検算 日本人 243万人回×35,000円=850億5千万円
海外  130万人×70,000円 =910億円
合計            1,760億5千万
*これから設問にある金額は「負け金」と確定します。
儲けの計算 1,760億5千万円×(1-0.311) = 約1,213億円

租税公課
報告書では10年分になってますがここでは1年分に置きかえます。
カジノ新税「粗利益」に対して国10%+地方10%としてます。
(千葉市では国5%+市5%としてます。)
約1,213億円×0.2 = 242.6億円のはずですが報告書では
1,760.5億円×0.2 = 352億円になってます。
法人税等の実効税率は40%としてます。
報告書では354億円となってます。353億円÷0.4=882.5億円が基の金額ですがあれこれ計算してもこの数字はでてきません。
固定資産税・都市計画税は投資金額の0.7に計1.7%乗じて計算したとしてます。市税として徴収されるとしてます。
43億円(検証は省略)

番外として入場料は150億円としてます。243万人×6,000=145.8億円で合ってます。
報告書では入場の意味付けとして以下のようにしてます。

 これは入場した利用者が負担したものであり、受益と負担の主体を一致させることを原則として考えれば、利用者の利便性向上(サイン計画や公共交通サービスの高度化、施設内外における犯罪防止策)や依存対象に用いられるべきと考える。

千葉市では1万円の内5,000円を千葉市の収入にしてます。
実際には、カジノ新税や入場料の額及び取り分は何も決まってません。

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