▼目次
- ギャンブル利用者数の数え方
- 概要
- 日本人のカジノ来場者を「実数」で推計
- 外国人のカジノ来場者を「延べ数」で推計
- 外国人のカジノ来場者の「実数」を大胆に推計する
- 報告書には「実数」「延べ数」の区別の概念がない
- 千葉市長はこの問題をどう考えてるか
ギャンブル利用者数の数え方
ギャンブル利用者数の数え方
延べ人数:1人でギャンブルに10回行けば10人で数えます。「人・回」
実数 :1人でギャンブルに1回行っても10回行っても1人で数えます。「人」
パチンコに関する「レジャー白書」では「実数」を使用します。例えば登山に関する件でも、年1回以上登山に行く人はXXX万人といった具合です。
概要
概要
カジノができたらどの位の人が来場してくれるか試算する必要があります。
IR導入可能性調査報告書(以下報告書と表現します)では次の客層を想定してます。
・外国人の138%
千葉市、習志野市、市原市、八千代市にくる外国人
・ギャンブル愛好家(事実上パチンコ愛好家)の10%
幕張メッセ、野球場とこれ以外の目的で千葉市内に来る日本人
・お台場にカジノができたら行くかとの調査を利用
千葉市内に来る日本人(ギャンブル愛好家を除く)の16.7%
外国人が1.38回カジノへ行くとは幕張新都心に限ってではありません。日本全国に訪れる外国人観光客全員が適当な場所にカジノがあれば1.38回行くとの設定です。
例えば、最近話題になってる、銀座や、秋葉原で電気炊飯器や洗浄付き便座を「爆買」いする中国人はお台場にカジノが出来れば全員が1.38回行くことになります。また、桜の花見でくる外国人も同様です。金持ちか、それなりの人か、貧乏人か国別も関係ありませんとにかく1.38回です。さらに、客単価(負け金)1回で26,000円としてますので、ひとり当たり35,880円(=26,000円×1.38)負けていくことになります。
日本人も海外に行けばその国では外国人です。日本ではギャンブルをやらない人も、海外では旅行先にカジノがあれば全員が1.38回カジノに行かなければなりません。
日本人のカジノ来場者を「実数」で推計
日本人のカジノ来場者を「実数」で推計
どうしてこうなったかは「ギャンブル愛好家」について先に考えると分かり易いので「ギャンブル愛好家」を先に論じます。
「ギャンブル愛好家」に関しては千葉市 打ち合わせメモ6に詳しく書いてます。
パチンコを年1回以上する人は970万人で、平均では27.5回です。
パチンコ人口の比率 970 万人/約1 億人(成人人口) = 約10%
報告書のギャンブル愛好家の10%はここからきてます。
問題なのは「パチンコを年1回以上する人は970万人で、平均では27.5回です」です。約1千万人が27.5回行けば延べ人数は2億7,500万「人・回」です。1億人で割れば2.75回です。
報告書の外国人のカジノ利用者数に対する解釈に合わせれば10%でなく日本人全員が年2.75回(275%)行くとしなければなりません。 外国人のカジノ来場者を「延べ数」で推計
それでは、報告書では外国人のカジノ利用率をどうして計算してるのでしょうか。シンガポールでの外国人のカジノ利用率を計算して幕張新都心のカジノにそのまま持ってきてます。シンガポールのカジノは中国人裕福層で成り立っていると言われてます。幕張新都心にはそうしたことは一切考慮しないでそのまま、客単価(負け金)26,000円を適用してます。
報告書の112ページに計算があります。必要な所は以下の通りです。
・シンガポールの年間外国人観光客 1、164万人 (2010年)
・外国人カジノ利用者数 1,605万「人・回」(延べ人数)
(編集者注:カジノ利用者数は非公開とされてるので無理な推計をしてます。)
・外国人カジノ利用者率 1.38 (=1,605万人/1,164万人)
この数字はパチンコに1億人が2.75回に行くとする考え方です。延べ数から計算されてます。
即ち、外国人は延べ人数「人・回」で日本人は実数「人」で数えてることになります。
外国人のカジノ来場者の「実数」を大胆に推計する
外国人のカジノ来場者の「実数」を大胆に推計する
編集者は以下の推計が正しいとしてる分けではありません。
それでは、外国人を「実数」で計算するにはどうしたら良いのか考えてみます。
外国人カジノ利用者数 1,605万「人・回」
= A(年1回以上カジノに行く人) × B(平均回数)
A(パチンコでは970万人)かB(パチンコでは27.5)が分かれば
外国人カジノ利用者率= A / シンガポールの年間外国人観光客 1,164万「人」
でパチンコの10%に相当する利用者率が分かります。
しかし、A,Bは非公開とされますので「大胆な推計」をしてみます。
シンガポールの観光に関するレポートの12ページから観光客数を引用します。
シンガポール全体の観光客からカジノ利用者の割合は大まかには計算できます。まず、カジノができる2010年前の2006-2009年の平均観光客数は約1,000万人です。カジノができてから増えたのがカジノ客とすれば大まかな数字は計算できます。
2011年は1,320万人 増えた人は320万人 増えた人の割合 320/1,000=0.32
売り上げは2011年を採用してるので0.32位で良いと考えられます。
即ち現在千葉市近郊に来てる外国人観光客数からカジノができたらどの位増えるかを推計することになります。そして増えた分がカジノへ行くとします。
報告書の113ページの表 単位:万人
[新規開発型]
幕張新都心への外国人入り込み数 105万人
幕張新都心以外への外国人入り込み数 73万人
計178万人
当推計 178万人 × 0.32 = 57万人
報告書 178万人 × 1.38 = 246万人
これから次の様になります。
日本人 | 外国人 | 合 計 | 外国人割合(%) | 売り上げ(億円) | |
---|---|---|---|---|---|
当推定 | 446 | 57 | 503 | 11 | 1,308 |
報告書 | 446 | 246 | 692 | 36 | 1,798 |
納付金 | 入場料 | 合 計 | 外国人割合 | |
---|---|---|---|---|
当推定[延べ数] | 675.0 | 2,471.5 | 3,146.5 | 5% |
当推定[実数] | 65.4 | 223.0 | 288.4 | 11% |
報告書 | 89.9 | 223.0 | 312.9 | 36% |
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