米国のカジノ  IRカジノが破綻した街

日弁連の資料から 鳥畑与一(静岡大学)

カジノ依存型の成長モデルの破綻が米国で次々と明らかに!

 IRの中核にカジノを据えれば、世界中から観光客(ギャンブラー)が殺到し、誘致した自治体に税収と雇用ばかりか大きな観光収入がもたされ地域は活性化するとされますが本当でしょうか?

破綻・崩壊の市
・ニュージャージー州アトランテックシテイ
・ミシシッピー州トニュニカ
・ミズーリ州デット
・ネバタ州レノ

アトランテックシテイの例
 1978年のカジノオープン以来30数年経過しましたが・・・・・
人口減少は続き、世帯平均所得29,886ドルは州平均の6割減!
貧困率は29.8%!で州平均の3倍!人口4万人以上20市中堂々の第3位!犯罪率は千人当り110件でトップ!失業率も第2位の高水準・・カジノ破綻前でこのありさま!そこにカジノ破綻が直撃!
 つまり、年間3000万人以上を集客してきたカジノは、たった4万人の街を再生することができませんでした!なぜでしょうか?

編集者注 アトランテックシテイに関してはニュージャージー州アトランティック・シティーのカジノ閉鎖、アメリカの悪化する雇用危機の兆候(外部リンク)が詳しい。

      危険な選択だった、IR型カジノ依存の経済

 隣接するニューヨーク州(04年)やペンシルベニア州(07年)のカジノ合法化に直面したニュージャージー州(アトランテックシテイの所在地)はIR化で対抗

             しかし

1.斜陽化する米国カジノ産業
2.IR型カジノの行き詰まり
  カジノ収益で宿泊・飲食・娯楽・会議部門等を支えるモデルの破綻
3.地域経済の破壊力が最大のIR
  顧客を囲い込み、周辺地域の購買力を奪う地域経済は破壊される。
  編集者注 共食い

             その結果

1.アトランテックシテイの「カジノの街」から「滞在型リゾート地」
  への転換は進行中である!
  ニュージャージー州(アトランテックシテイの所在地)カジノ管理委員会
2.レベル(アトランテックシテイにあるカジノのひとつ)は24億ドル
  (約2,800億円)を投じた期待の最新のIR型カジノであったが、2年で破綻

編集者注 「斜陽化する米国カジノ産業」ではあるが日本はこれからなので米国を反面教師として上手くやれば良い。と考える人もいるかもしれない。しかし、
米国のカジノ 総論にもあるように日本では「博打」(カジノ)そのものが「斜陽化」してる。「博打」なる不健全なものをこれ以上やる必要は全くない。

地域経済を破壊する力抜群のIR型カジノ
ホテルやエンターテイメンット、ショピングモールや会議場なども展開するカジノIRは、地域経済を活性化させるか?
               ↓
カジノIRは、カジノ収益を基にカジノ客に対してホテル代・飲食費の無料提供や割引サービスで顧客勧誘。
               ↓
コンプと呼ばれるこのサービス。アトランテックシテイのカジノでは・・・
  ホテル代収入の53.1%
  飲食収入の53.6%   を占める。

投資額・維持費用がかさばるIR型カジノは、新たなお荷物に
アトランテックシテイで一番カジノ収益が大きいボルタゴでも赤字!
赤字額約5,700万ドル(約68億円)
                ↓
1.会議場、エンターテイメント提供、宿泊、飲食、ショピングーモールなどへの
  投資額と維持費が大きくなります。
2.大量のお客を呼ぶためのコンプ(無料割引サービス)の負担が大きくなりま
  す。
  *ボルゴタの場合、1、154万人を対象にしたコンプ費用に
   約2.2億ドル、(約264億円)カジノ収益の約35%を費やしてます。
  *ラスベガス・ストリップ地区(43カジノ)でもカジノ収益の30%が
   コンプ費用で、全体で約15億ドル(約1,800億円)の赤字!
  *日本で黒字にするのは大変です!

編集者注 木曽 崇 「日本版カジノの全て」では「破綻するカジノも少なくからず存在します」「事業者が倒産する理由は多くの場合はが市場競争による結果」
とありますが。これらの赤字の理由がこのためかは不明です。「日本版カジノの全て」ではラスベガスも数カ所で取り上げてます。リーピータも多く一見よさそうに思えます。しかし、かんじんのカジノが赤字経営とまでは書いてません。通常は赤字の会社からは税金はとれませんがこの場合はどうなってるのかは不明です。仮にとれたとしてもそう多くはないでしょう。赤字経営はそうは続きませんので倒産となればラスベガスもどうなるのか。さて?
ちなみに、ネバタ州の貧困率1位はレノ市(カジノ依存経済の破壊に!)、2位はラスベガスです!!!
貧困率(外部リンク)は簡単に言えば格差社会の指標。
日本は最悪とされてます。

共食いでは、地元と周辺地域での売り上げ等が停滞
 カジノ収益を基にした顧客獲得は、周辺地域のマネーを吸い上げ、周辺地域での商業売り上げ減少や雇用数の減少を生み出します。
アイオワ州では、カジノのある街の商業売り上げが停滞!
アイオワ州の2万~4万人商業売り上げ

カジノの無い街
街名         1996-2004 1996-2000 2001-2004
Ames         4.8%    8.2%    2.9%
Muscatine    4.6%    5.9%    2.5%
Fort Dodge   2.0%    5.0%   -1.4%
CedarFalls   3.8%    3.9%    4.0%
Lowa City    3.3%    3.5%    3.0%
Mason City   1.6%    3.3%    0.1%
平均           3.4%    5.0%    1.9%

カジノのある街
Ottumwa      1.4%    2.9%    -0.9%
Marshalltown 0.7%    2.0%     0.6%
Clinton      1.1%    1.6%    -3.3%
Burlington  -0.5%   -0.4%    -0.4%
平均           0.6%    1.5%    -1.0%
t検定          0.0066   0.0140    0.0519

 米国イリノイ州では、カジノ1,000ドル(12万円)収益増加に対して周辺地域での売り上げ減少
 0- 6マイル(0-9.6キロ)  -142ドル(1万7、000円)
 5-10マイル(8-16.0キロ) -225ドル(2万7、000円)
10-30マイル(16-48キロ)   -14ドル(1、680円)

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