IRの整備計画の認定申請が22.4.28締め切られました。

千葉市は申請しませんでした。
どこが認定されるかを見極めるまで当サイトは継続します。

IRの整備計画の認定申請された内容22.4.28 

大阪市が認定されました 23.4.14

幕張新都心のカジノ, 外国人は全員が1.38回、日本人は10人に1人が来場と「設定」  改訂版

                       ▼目次
  1. ギャンブル利用者数の数え方
  2. 概要
  3. 日本人のカジノ来場者を「実数」で推計
  4. 外国人のカジノ来場者を「延べ数」で推計
  5. 外国人のカジノ来場者の「実数」を大胆に推計する
  6. 報告書には「実数」「延べ数」の区別の概念がない
  7. 千葉市長はこの問題をどう考えてるか

ギャンブル利用者数の数え方

延べ人数:1人でギャンブルに10回行けば10人で数えます。「人・回」
実数  :1人でギャンブルに1回行っても10回行っても1人で数えます。「人」
     
 パチンコに関する「レジャー白書」では「実数」を使用します。例えば登山に関する件でも、年1回以上登山に行く人はXXX万人といった具合です。

概要

 カジノができたらどの位の人が来場してくれるか試算する必要があります。
 IR導入可能性調査報告書(以下報告書と表現します)では次の客層を想定してます。

・外国人の138%
 千葉市、習志野市、市原市、八千代市にくる外国人
・ギャンブル愛好家(事実上パチンコ愛好家)の10%
 幕張メッセ、野球場とこれ以外の目的で千葉市内に来る日本人        
・お台場にカジノができたら行くかとの調査を利用  
 千葉市内に来る日本人(ギャンブル愛好家を除く)の16.7%
 
 外国人が1.38回カジノへ行くとは幕張新都心に限ってではありません。日本全国に訪れる外国人観光客全員が適当な場所にカジノがあれば1.38回行くとの設定です。
 例えば、最近話題になってる、銀座や、秋葉原で電気炊飯器や洗浄付き便座を「爆買」いする中国人はお台場にカジノが出来れば全員が1.38回行くことになります。また、桜の花見でくる外国人も同様です。金持ちか、それなりの人か、貧乏人か国別も関係ありませんとにかく1.38回です。さらに、客単価(負け金)1回で26,000円としてますので、ひとり当たり35,880円(=26,000円×1.38)負けていくことになります。

 日本人も海外に行けばその国では外国人です。日本ではギャンブルをやらない人も、海外では旅行先にカジノがあれば全員が1.38回カジノに行かなければなりません。

日本人のカジノ来場者を「実数」で推計

 どうしてこうなったかは「ギャンブル愛好家」について先に考えると分かり易いので「ギャンブル愛好家」を先に論じます。
 「ギャンブル愛好家」に関しては千葉市 打ち合わせメモ6に詳しく書いてます。

パチンコを年1回以上する人は970万人で、平均では27.5回です。
パチンコ人口の比率 970 万人/約1 億人(成人人口) = 約10% 

 報告書のギャンブル愛好家の10%はここからきてます。
 問題なのは「パチンコを年1回以上する人は970万人で、平均では27.5回です」です。約1千万人が27.5回行けば延べ人数は2億7,500万「人・回」です。1億人で割れば2.75回です。

報告書の外国人のカジノ利用者数に対する解釈に合わせれば10%でなく日本人全員が年2.75回(275%)行くとしなければなりません。 外国人のカジノ来場者を「延べ数」で推計

 それでは、報告書では外国人のカジノ利用率をどうして計算してるのでしょうか。シンガポールでの外国人のカジノ利用率を計算して幕張新都心のカジノにそのまま持ってきてます。シンガポールのカジノは中国人裕福層で成り立っていると言われてます。幕張新都心にはそうしたことは一切考慮しないでそのまま、客単価(負け金)26,000円を適用してます。
 報告書の112ページに計算があります。必要な所は以下の通りです。

・シンガポールの年間外国人観光客 1、164万人 (2010年)
・外国人カジノ利用者数 1,605万「人・回」(延べ人数)
 (編集者注:カジノ利用者数は非公開とされてるので無理な推計をしてます。)
・外国人カジノ利用者率 1.38 (=1,605万人/1,164万人)

 この数字はパチンコに1億人が2.75回に行くとする考え方です。延べ数から計算されてます。
 即ち、外国人は延べ人数「人・回」で日本人は実数「人」で数えてることになります。

外国人のカジノ来場者の「実数」を大胆に推計する

 編集者は以下の推計が正しいとしてる分けではありません。
 それでは、外国人を「実数」で計算するにはどうしたら良いのか考えてみます。

外国人カジノ利用者数 1,605万「人・回」 
         = A(年1回以上カジノに行く人) × B(平均回数)

  A(パチンコでは970万人)かB(パチンコでは27.5)が分かれば

外国人カジノ利用者率= A / シンガポールの年間外国人観光客 1,164万「人」

でパチンコの10%に相当する利用者率が分かります。
しかし、A,Bは非公開とされますので「大胆な推計」をしてみます。

シンガポールの観光に関するレポートの12ページから観光客数を引用します。

 シンガポール全体の観光客からカジノ利用者の割合は大まかには計算できます。まず、カジノができる2010年前の2006-2009年の平均観光客数は約1,000万人です。カジノができてから増えたのがカジノ客とすれば大まかな数字は計算できます。

2011年は1,320万人 増えた人は320万人 増えた人の割合 320/1,000=0.32 

 売り上げは2011年を採用してるので0.32位で良いと考えられます。
 即ち現在千葉市近郊に来てる外国人観光客数からカジノができたらどの位増えるかを推計することになります。そして増えた分がカジノへ行くとします。

報告書の113ページの表 単位:万人
調査報告書113
[新規開発型]
幕張新都心への外国人入り込み数    105万人
幕張新都心以外への外国人入り込み数   73万人
                  計178万人

当推計  178万人 × 0.32 = 57万人
報告書  178万人 × 1.38 = 246万人
これから次の様になります。

単位:万人
  日本人 外国人 合 計 外国人割合(%) 売り上げ(億円)
当推定 446 57 503 11 1,308
報告書 446 246 692 36 1,798
 「売り上げ金」とは、つまる所「客の負け金」です。報告書では「収入」を使用してます。

ちなみに日本人も延べ数で計算してみます。

 「売り上げ金」を計算するなら本来、カジノ来場者数は延べ数で計算すべきでしょう。

[新規開発型]
 まず、報告書の113ページの表の「ギャンブル愛好者」を修正します。例えば、幕張新都心への入込->日本人->ギャンブル愛好者->入込数が105万人になってます。105万人は母集団から「ギャンブル愛好者10%」を掛けたものです。本来はここは母数にすべきです。以下にある「その他」にある母数と同じです。すなわち、同じ母数から「ギャンブル愛好者」と「その他」を計算するものです。
 次に、日本人のその他は「お台場にカジノにできたら行ってみたいか」のインタネット調査から利用率16.7%を導き出しています。出典を調べるとカジノに行きたい「頻度」で最も多いのは「半年で1回」です。やや、乱暴ですが年2回とします。利用率16.7%は「是非行ってみたい:24.6%」から25%とし「ギャンブル愛好者」を引いて出しています。その程度です、平均ではありません。
 結果的に延べ数(率)33.4% = 16.7% × 2
 これらか、報告書の113ページの表を修正すると次の様になります。単位:万人
調査報告書113延べ数A
 実に「新規開発型」は1兆3、491億円です。
 納付金は売り上げの10%で千葉市の取り分は5%としてます。入場料(日本人のみ)は1万円で5千円を千葉市の取り分としてます。その外に千葉市には地方税が入りますがこれは省いて計算すると次のようになります。

「新規開発型」単位:億円
  納付金 入場料 合 計 外国人割合
当推定[延べ数] 675.0 2,471.5 3,146.5 5%
当推定[実数] 65.4 223.0 288.4 11%
報告書 89.9 223.0 312.9 36%
千葉市の2015年度の予算は3,902億円です。

パチンコ愛好家の1回の負け金は2,660円です。
「お台場にカジノにできたら行ってみたいか」の1回の平均「賭け金」は2万円です。
入場料1万円を払ってまではまずこないことは明らかです。

報告書の1回の負け金は26,000円で計算します。
パチンコ愛好家は中国人裕福層より金持ち幕張新都心カジノ 不思議な利益計算で解説してます。
如何に報告書はデタラメか分かります。

報告書には「実数」「延べ数」の区別の概念がない

報告書の113ページに興味深い一文があります。

【考察】
新規開発型ではマリーナ・ベイ・サンズと同規模(15,000㎡)のカジノを想定している。上記推計では利用者数が651(万人)で、マリーナ・ベイ・サンズの900(万人)の約70%という結果になった。
今回は日本人のカジノ利用者比率を25%(ギャンブル愛好家が10%、その他が15%)としたが、これをシンガポール並みの37.6%(2011年利用者数195万人/518万人(人口))で試算すると、新規開発型の日本人カジノ利用者数は669(万人)となり、外国人利用者と合わせると916(万人)になる。
その場合の新規開発型のカジノ収入は、2,380(億円)となり、マリーナ・ベイ・サンズと同等の水準になる。IR基本構想を策定する上では、規模ももちろんのことであるが、日本人の利用をどこまで見込むか、またそれを実現するための具体策(入場規制の在り方等)を検討することが必要となる。

 前半の強調部分「ギャンブル愛好家が10%、その他が15%」は実数「人」です。後半の強調部分「195万人/518万人(人口)」の195万人は延べ数「人・回」です。結局報告書では「実数」「延べ数」二つの「概念」があること自体知らないで作られていると考えられます。従って「外国人の1.38回」には何ら違和感なかっただろうと、覗えます。

 注:利用率を実数「人」で考える限り母数を越えることはありません。パチンコを年1回以上やる人は約1,000万人で10%です。仮に成人全員1億人(母数)がパチンコに行くとすれば100%です。100%以上にはなりません。

千葉市長はこの問題をどう考えてるか

 千葉市長への手紙で問い合わせています。

 幕張新都心カジノ 千葉市長への手紙-2  

 
「外国人は全員が1.38回、日本人は10人に1人がカジノ行く」
言い換えれば「外国人は日本人より13.8倍ギャンブル好き」となります。

たとえ、どんな理屈や、「一定の条件設定」をしたとしても「異常な数字」です。調査会社や 担当部署は「異常な数字」とは認識しないようです。私の頭が異常なのか心配になりました。そこで先日開催された「全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会設立1週年 5.9 シンポジュム」でこの件を披露したところ会場は大笑いでした。私の頭はまだ大丈夫なようです。

幕張新都心カジノ 千葉市長への手紙-2  に対する返信

なお、外国人旅行客全員がカジノへ1.38回訪問することは、換言すれば、外国人旅行客が平均して1.38回カジノを訪問することであり、条件設定として問題はないものと考えています。

「換言」しても来場者数は同じです。

幕張新都心カジノ 千葉市長への手紙-2  に対する返信 への見解

幕張新都心カジノ 千葉市長への手紙-3

幕張新都心カジノ 千葉市長への手紙-3 の返信(?)と見解

を経て
幕張新都心カジノ 千葉市長への手紙-4

 しかし、報告書(本編)112ページには「シンガポールに入国した外国人観光客全員が、1.38回カジノを訪れていることになる 」と書かれています。それ以外に1.38回に関する記述はありません。市は1.38回は「外国人観光客全員が、1.38回カジノを訪れる」と認識していたことになります。

情報公開で入手した資料では、この表現が最初に出てくるのは11月7日の会議資料で、11月18日でも訂正されないで最終的に公開されました。公開された議事録等を見ると「1.38回」は議題にはなってません。

「語るに落ちる」
幕張新都心カジノ 市長への手紙-4 受信連絡?

2015.8.28 「千葉市長への手紙-4」を送って1ヶ月過ぎてます。

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