幕張メッセはIR推進法のIRになり得るか

 千葉市長は既存の幕張メッセに「カジノ+α」でIRを実現しょうと考えてます。IR推進法上これはIRといえるか検証しました。

 まずIRとは何かの復習から。
 IRは一般に「統合型リゾート」と言われます。横浜市のIR報告書に良い図があります。(横浜市のIR報告書の解説はこちらにあります)

 図にある施設が全部なければIRではないという分けではありません。MICE(=幕張メッセ)はIRの中核をなします。元々IRはカジノ合法化の言い分けとして公益性があるが赤字施設をカジノの儲けで補うとするものです。MICEはその代表例で、幕張メッセも千葉県、千葉市の赤字補填で命脈を保ってます。それならMICEを無くして儲かる施設だけにすれば良いと考えられ方もいるでしょうが、それならカジノはいらなくなります。

 通称IR推進法ですが、法律上の正式名称は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」です。
IR推進法上のIRの定義は第二条で以下です。

(定義)
第二条 この法律において「特定複合観光施設」とは、カジノ施設(別に法律で定めるところにより第十一条のカジノ管理委員会の許可を受けた民間事業者により特定複合観光施設区域において設置され、及び運営されるものに限る。以下同じ。)及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、民間事業者が設置及び運営をするものをいう。

 この条文を率直に読めば幕張メッセはもう設置されてる施設で株式会社幕張メッセ(株主は千葉県、千葉市他)が運営してます。千葉市長はここに「カジノ+α」を追加してIRにしようとしています。一般にIRを誘致しようとしてる所はゼロから設置を計画してます。その点、千葉市長は特異な存在と言えるでしょう。

 どうして、「カジノ+α」で行こうとした又は途中で方向をかえなかったのかを検証してみました。

 千葉市長、千葉市議会IR(統合リゾート)議員連盟(以下千葉市IR議連)がIR誘致に動き出したのは2012年と考えられます。編集者がこの問題に取り組んだのは2014年10月でそれ以前のことはよく分かりません。市長が業者とシンガポールに視察に行き、千葉市IR議連が「要望書」を出したのが2012年なのをもって根拠にしました。そこで、2010年頃から検証することにしました。

 カジノに関しては1999年に当時の東京都知事の石原慎太郎が「お台場にカジノ」を言い出したのが始めてと言われてます。その後断続的に話しが出て、2011年8月に国会の国際観光産業振興議員連盟が「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」法案を公表したようです。この法案は検索しても見つかりませんでした。
 この時点で、千葉市長、千葉市IR議連が動いたと思われます。
 2013年6月衆議院に議員立法として国会に始めて提出されました。この法案は衆議院のサイトにあります。問題の第二条は下記の通りです。

 (定義)
第二条 この法律において「特定複合観光施設」とは、カジノ施設(別に法律で定めるところにより第十一条のカジノ管理委員会の許可を受けた民間事業者により特定複合観光施設区域において設置され、及び運営されるものに限る。以下同じ。)及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、民間事業者が設置及び運営をするものをいう。

 前述の成立した法律の第二条と全く同じです。2013年6月の法案は継続審議になったりになったり、廃案になったり、再提出されたりしますが、第二条は不変です。法案がどう審議され成立したかはこちらから検索できます。

 時系列で検証します。一部は幕張新都心カジノ 市長,誘致姿勢の変遷 2016年12月と重複します。

1.2012年3月15日 千葉市IR議連が千葉市長に要望書を出す。
 その内容はこちらです。その中に下記があります。

1 幕張メッセを中心とした幕張新都心を、IR誘致の候補地として、積極的に準備を進めること。

 この段階は法案が出てないので無理ないでしょう。
 その後、千葉市IR議連は2016.12月にも「要望書」を出してます。

2.2012年5月17日千葉市長は幕張新都心の経営者有志とシンガポールに行く。
 この段階でも法案は出てません。このときの「幕張新都心の経営者有志」とは未だに交流があるようです。この人達は「カジノ誘致」に積極的で市長は「板挟み」になってると言う人います。

3.2013年5月26日市長再選。
 この段階でも法案は出てません。このとき(又は初当選時)作成された思われるマニフェストには下記の通りです。

MICE戦略の更なる推進、IRMICE戦略の更なる推進、IR(統合型リゾート)の可能性と課題について研究を進め、幕張新都心のアーバンリゾートとしての魅力を高める。

 IRの中にMICEが含まれますから、この表現は変です。「MICE戦略」のMICE=幕張メッセと考えれば許容できるかもしれません。これから窺えるのは、「カジノ+α」で行こうとしたの明らかです。結果的に研究以前の法案さえ読んでません。研究にして印象を薄めたかったのでしょう。
 このマニフェストはその後書き換えてます。詳細やマニフェストの出典は「幕張新都心カジノ 熊谷千葉市長のマニュフェストと報告書 改訂版(マニュフェストをかえた)」参考にして下さい。

4.2013年6月衆議院に議員立法として法案が国会に始めて提出された。

5.2014.7月市長講演
幕張新都心 MICE・IRを考える会の講演

一部の外資のビジネスモデルはすべて独占で、更地に対してカジノ、ホテル、コンベンション、ショッピングセンター…、すべてを作って全部トータルで儲かる仕組みです。サンズがきてくれれば有り難いですが、幕張新都心のようにカジノと他に少し作れば良いという環境では、彼らにしてみればちっぽけなビジネスになってしまう。うま味はあまりないでしょうね。

 強調文字は編集者です。これから、「幕張新都心のようにカジノと他に少し作れば良いという」では1年前に出してある法案を知らなかった(読んでない)と窺えます。

5.2015年1月18日 IR導入可能性調査  第1回市民報告会
 IR導入可能性調査  第1回市民報告会
 まず、 「幕張新都心におけるIR(統合型リゾート)導入可能性調査」書そのものを検証します。
 既存施設活用型(「カジノ+ホテル」)の問題点として92ページに次ぎがあります。

IR推進法案における「一体」の範囲の整理

 「一体」は法案の第二条にあります。第二条全体では「既存施設活用型」自体不可です。「一体」は矮小化した表現です。
報告会では「一体」のみで説明してます。

 少なくても担当部署では法案の第二条は認識してました。市長と認識を共用して無かった。”「既存施設活用型」自体不可”は後述の7.でハッキリします。何のためのIR導入可能性調査だったのか。

6.2015.7.6日 カジノIRジャパン
「カジノIRジャパン」市長講演

「MICEの延長線上にIRが入ってくる」

この時点でも未だ分かってない。

7.2017年1月30日 市長への手紙への返信
この問題を「市長への手紙ー2017.1.16」で問い合わせところ返信がきました。(返信も載ってます)

昨年12月に成立した「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」は、特定複合観光施設の施設や区域の定義をはじめ、基本理念や、区域の整備の推進に関し基本的な事項を定めているものであり、具体的な事項はすべて、同法施行後1年以内を目途として、必要となる法制上の措置を講ずるとされております。

少なくても千葉市長は「IR推進法」ではダメと認識しました。

これに対して「市長への手紙ー2017.2.1」で以下のように反論してます。

返信の内容はIR推進法案を知らないでいたことを認めた上で「後付の理屈」です。知っていたとするならこうした返信にはなりません。
 今ではIR推進法ですが、カジノ基本法とも言われております。憲法は国の基本法です。これを越えての法律はつくれません。IR推進法では第二章が「一年以内を目途として・・・」とあります。すなわち第二章に措置対象事項があります。
特に第十条が重要です。「具体的な事項はすべて」と返信にありますが、基本法を上書きで「すべて」書き換えられる事になります。その前に基本法の改定をする必要があります。
 第二章には第二条の(定義)を変えて良いとは読めません。(定義)まで変えては基本法の意味をなさなくなります。潔く誘致は撤回すべきです。見苦しいです。中間派が市民を1年間も誘致を目指して引きずるのは良くないです。

 返信で唯一分かったことは幕張メッセ等の既存施設をIRとして活用したいとハッキリしたことです。「幕張新都心におけるIR(統合型リゾート)導入可能性調査」にある、公園に幕張メッセ等をもう一組造るこは否定されたと考えられます。いくら何でもこれは無茶苦茶です。

 
 2017年2月12日現在返信がきてません。着たら紹介します。

技術的、法律上の詰めをしないでドローンで宅配しようなどとは違う。

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