幕張新都心カジノ 不思議な利益計算

 IR導入可能性調査報告書の最大の目的はカジノはこんなに儲かると示すことにあると言って良い。その為にはなりふり構わずである。合理性や整合性は関係なくとにかく数字を拾ってきている。
 例えば、アパート経営を考える。付近の相場は一部屋月8万円、部屋数は8戸とすると月の売り上げは64万円になる。どっかからアパートの利益率は20%を拾ってくる。この利益率は付近とは関係なくどこでもよい。東京のアパートなのに北海道のアパートの利益率でも構わない。64万円×0.2(20%)=12.8万円を純利益と計算する。幾ら空き部屋があっても、土地購入費や木造、鉄筋建ても関係ない。とにかくアパート経営すれば12.8万円は儲かるとする考え方である。
 一方、IR型カジノは公共性があるが儲からない施設を造り、カジノの収入で補おうとするものである。これをコンプと言う。編集者は報告書を最初に見たときこの考え方がないのに疑問に思った。なぜなら、全施設が儲かるならカジノはあえて造る必要はないのでないか。公共施設型ディズニューランドである。
 市はコンプの概念を知っているのか聞いた。2015.1.28日の面談では「大体は」であった。
 3.18日の文書での回答は以下の通りである。

○コンプについてですが、その概念は承知しております。
○個別事業者のコンプ費用の実態を把握することが難しく、また、今回の調査の趣旨をふまえ、取り上げることはしませんでした。
○コンプ費用を含む事業収支や事業採算性については、進出を検討する民間事業者において検証すべきものと考えています。

これに対する編集者の「見解」を関連を含め3.23日に市に送った。抜粋

日弁連の資料では鳥畑与一氏(静岡大学)は探して載せています。探し方がへたなだけでしょう。[編集者注 カジノの収益に関して]

報告書、本編では
(1)カジノの収益構造がわからないため英国の小規模カジノ会社ランクグループの財務報告書から無理矢理こじつけて利益率を計算してる。
(2)本来IR としての施設は公共性があるが収益の低い(赤字)施設を造る必要がある。
例えば、美術館、貸しコンサートホール等である。そして赤字分をカジノの収入で補填するのが本来のIR 型カジノである。これをコンプと呼ばれてる。
報告書では儲かる施設としてある。その理由としてカジノの収益構造がわからないのでコンプを幾ら用意したらわからないから儲かる施設にしたとする。
(3)社会的リスクは定量的に抽出できないからしないとした。
(4)共食いの影響も評価しない。
(5)社会的リスクの最大の問題である「依存症」はインターネットに転がってるもの。しかし、これらは日弁連資料にある。但し、共食いの影響に関してしては多少違う。
 2014年11月3日「市長への手紙WEB版」で日弁連資料を提供できると申し入れたが提供要請はなかった。その気になれば日弁連に直接依頼すれば可能であったろう。
http://bakuchi.simousa.com/news2/
返信には「日本弁護士連合会が指摘している懸念事項もふまえ...」市民に報告する。日本弁護士連合会の資料は読んでないのは明らかである。市長が市民に嘘を付いてはいけない。
http://bakuchi.simousa.com/news3/
担当は「幕張新都心室」となっている。サボッタせいでいい加減な報告書ができた。
日弁連資料
http://bakuchi.simousa.com/wp-content/themes/principle/download/日弁連.pdf

 報告書は利益率を次ぎのように拾ってきている。123ページ
カジノ    10.0% 
  [出所:英国カジノ大手ランクグループ(英)の2013年度カジノ部門貢献利益率10.4%]
ホテル    1.2%
貸会議室   2.9%  [コンベンション]
高級百貨店  3.7%
レストラン  2.6%
映画館    3.7%   [劇場] 
[出所:業種別審査事典2011年度、百貨店は高島屋2013年度売上経常利益率]

貸会議室 -> コンベンション(幕張メッセ展示場相当)
映画館  -> 劇場(劇団四季) 

は笑うしかない。報告書ではこの対比は明確に書かれていない。125ページの表からこうなる。

注目はカジノの利益率10.0%である。
[出所:英国カジノ大手ランクグループ(英)の2013年度カジノ部門貢献利益率10.4%]

これには早い段階で変に思っていた。2015.1.23日に市との面談時の文書に書いている。

報告書ではカジノの利益率を10%としている。さらに10%は税引き前として扱っている。カジノは儲かるとのイメージはある。税引き前10%の利益は日本ではその辺の会社にいくらでもある。

グループは多くの事業をしている。カジノは全事業の内10.4%とも解釈できる。

 執拗な要求により最終的に4.30日に明らかにした。想像した通り「グループは多くの事業をしている。カジノは全事業の内10.4%とも解釈できる。」で間違いなかった。
5月7日の「見解」で次ぎの様に市に送った。

ランクグループ・アニュアルレポートからこうして計算しましたは、理解出来ました。しかし、それが通常考えられる利益計算で良いのかは判断のしようがない。
a.複数の国に店舗があるのでそれぞれの国で会計基準(税制等)が異なるでしょうから、カジノ納付金、減価償却、納税、各種引当金等をしたうえで「カジノ事業部」に合算するのでしょう。つまり税引き後の利益を合算するのではないか。
b.しかし、「カジノ事業部」に合算したうえでまた売り上げ等から利益計算をしている。さらに税金を払っている。国際間の税制には全く知識がない。
(日本国内に関しては一般人よりは知識はあるつもり。)
c.国際展開する事業部の利益計算を流用するに無理がある。
d.報告書35ページには1 店舗の売り上げは9億2,100百万円。新規開発型で1,798億円。やはり商店街の個人商店と郊外の大型複合店舗を同列に扱ってるは言わざるえない。

MBSハードロック
幕張新都心カジノのモデル(IR全体) 利益率を流用したタイプのカジノ

「幕張新都心カジノ,パチンコ愛好家以外のギャンブラーは25%と「設定」の後半を再録します。

 しかし、こうして推計しても最終的に千葉市に入ってくる通常の法人税等は新規開発型で48.3億円(カジノ以外の全施設を含む)です。(報告書126ページ)
千葉市の2015年度の予算は3,902億円です。これから比較するとカジノと大騒ぎするわりにはたいしたことないでしょう。
横浜市の同様の報告書でも同様な傾向にあるようです。
 そこで、報告書では(新規開発型 報告書 127ページ)
(1)カジノ収入(利益ではありません)の10%を納付金とし半分の5%を千葉市の税収とし89.9億円 
(2)日本人は入場料1万円として半分は千葉市223.0億円

 で収入を一挙に増やすことに成功しました。ここで、1万円の入場料を払ってまで、パチンコ愛好家はカジノへはほとんど行かないでしょうし、問1の問題が生ずることは調査会社及び市担当者も思いもしなかったのでしょう。その程度です。結局、編集者の追求を受ける羽目になりました。
 千葉市の回答には「入場料」の単語は一度も出てきません。最初から1万円を考慮してたらこんな報告書はつくれない。
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追記 2015/07/14
 「入場料や納付金自体」は最初の段階から考えてはいたようです。金額や割合は決めてはいませんが。
 それなら入場料を無視(又は失念)して来場者数を推計したのはより悪質(過失)な問題です。
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 尚、IR推進法案(2015.5.14現在未成立)で納付金、入場料の件は出てきますが、金額、取り分は出てきません。入場料はシンガポールでは8、000円です。ただし、シンガポールでは入場料は国の収入でなく、福祉団体に行きます。千葉県では6,000円を想定してます。横浜市は、納付金、入場料は考慮してません。

注 
問1 千葉市 打ち合わせメモ4

 わずか500人を調査対象にしているし、インターネット調査としている。
  無作為抽出をしていなとか、金ほしさに不正をするとか疑問が指摘されてる。(回答すると金を貰えのもある)統計学に基づく世論調査ではない。

「全体ではカジノの掛け金として約2万円」
 正確には男性25,351円、女性13,566円
 まず、入場料1万円を払う。1万円は負け金としてからバクチを始める。さらに2万円は出さないでしょう。さらに客単価は26,000円で掛け金でない。
入場料1万円として調査すれば全く違った数字になるのは明らか。女性はまず来ないでしょう。是非行ってみたいの24.6%の男女別は不明。仮に半分ずつとすれば12.3%でこれからギャンブル依存愛好者10%を引けば2.3%です。ギャンブル依存愛好者以外からは期待できないことになります。最もギャンブル依存愛好者10%の男女は不明なので乱暴ではあります。マ、本報告書自体がこんな感じですが。
[本調査による推計は正しくない]

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