カジノ実施法案  加筆2018.6.2

2018.4.27に閣議決定された「カジノ実施法案」(特定複合観光施設区域整備法案)を検証してみます。
この記事は適時改定・加筆していく予定です。
まず、閣議決定された文書は首相官邸のこちらから閲覧できます。

概要は以下です。

法案の本文は約300ページに及びます。しかも、縦書きで非常に読み難いので、国会のホームページに掲載されるのを待ってました。掲載されたのは2018.5.10で実に2週間掛かったことになります。縦書きを横書きにするのにこんなにも時間が要するもなのかと思いますが、一応、両者は同じものとし、国会のホームページに掲載された法案で検証します。
尚、今国会(196回)の会期末は2018.6.20日です。延長されても1,2週間位と言われてますの与党得意の「強行採決」でもしないと成立は無理とするのが一般的です。
こんな膨大な法案を短期期間での審議は無理です。
 

▼目次

  1. 幕張新都心のカジノ
  2. 「カジノ実施法案」以前の依存症対策  加筆2018.5.15
  3. 「カジノ実施法案」の依存症対策   加筆2018.5.15
  4. マネーロンダリング  加筆2018.5.19
  5. 仲介業者ジャンケット 加筆2018.5.22 追加2018.5.27
  6. コンプ 加筆2018.5.27
  7. カジノ業者の金貸し 加筆2018.5.29
  8. 釣書(応募書) 加筆2018.5.30
  9. 賭博罪の例外 加筆2018.5.31
  10. カジノ部分の面積 加筆2018.6.2

幕張新都心のカジノ

幕張新都心のカジノ構想は熊谷市長の不勉強からの早とちりから始まってます。
幕張新都心にカジノ構想は無理であることは「幕張新都心カジノ 市長,誘致姿勢の変遷 2017年5月」で詳細に検証してます。これの要点は以下です。
簡単に言えば幕張新都心にはカジノを除くIRの構成要素(展示場、国際会議場、イベント会場等)はすでに存在し、千葉県、千葉市、民間会社を株主とする株式会社幕張メッセが運営してます。(土地は千葉県が所有)そこで熊谷市長はカジノを追加すればIRになると舞い上がります。しかし、この構想を唱える約2年前に「カジノ推進法案」が国会に上程されてます。

第二条 この法律において「特定複合観光施設」とは、カジノ施設(別に法律で定めるところにより第十一条のカジノ管理委員会の許可を受けた民間事業者により特定複合観光施設区域において設置され、及び運営されるものに限る。以下同じ。)及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、民間事業者が設置及び運営をするものをいう。

 2016.12に成立した推進法とこの部分はかわりません。
こしたこともあり、千葉市の構想は「ナンチヤッテIR」鳥畑氏のご評価を頂戴しました。

この辺を「市長へ手紙」で押し問答をしてます。「幕張新都心カジノ 市長,誘致姿勢の変遷 2017年5月」の「2017.1~3. 市長への手紙」で記載してます。

それでは、今回の「カジノ実施法案」ではどうなってるか検証します。第二条の冒頭部分

第二条 この法律において「特定複合観光施設」とは、カジノ施設と第一号から第五号までに掲げる施設から構成される一群の施設(これらと一体的に設置され、及び運営される第六号に掲げる施設を含む。)であって、民間事業者により一体として設置され、及び運営されるものをいう。

趣旨はかわりません。是非「幕張新都心カジノ 市長,誘致姿勢の変遷 2017年5月」をご覧ください、市長のいい加減さがわかります。

「カジノ実施法案」以前の依存症対策

「世界最高水準の規制」をやってもカジノ解禁ではギャンブル依存症患者は確実に増えます。
まず、「世界最高水準」で存在する日本の「ギャンブル依存症患者」をどうするかです。「カジノ実施法案」の依存症対策を検証する前にこちらを検討します。

                 復習
ギャンブル依存症は「不治の病」です。当サイトのアクセスの多い続・依存症 「一度たくあんになった脳は二度と大根には戻らない」 改訂をご覧ください。

ギャンブル依存症になるのは「自己責任」とかの言説があります。それで済む話ではありせん。ギャンブル依存症になると本人の不幸だけでなく、家族、親族等を不幸に巻き込みます。
ギャンブル依存症になって破綻すると1,200万円の借金を抱えるとも言われます。ギャンブル依存症は日常の生活ができなくなる「不治の病」なので、「完治」はできませんが、日常の生活に戻す「回復」はできます。「回復」には1,2年かかりこれも1,200万円かかると言われてます。この金を家族、親族等が肩代わりせざるを得ないのです。親が年金世代ですと、老後の資金を食い尽くし、親も破綻します。

                 最善策
1.現在議員立法で上程されてる複数あるギャンブル依存対策法案 2018.1を一本化し成立させます。
2.1-2年かけて「ギャンブル依存対策実施法案」を作成し成立させます。
3.「ギャンブル依存対策実施法」の効果を10年かけて検証します。途中で効果なさそうなら改定します。
 ギャンブル依存症の潜伏期間は10年と言われてますので、10年位は必要です。
4.合計15年後くらいに「カジノ実施法案」を検討。

国会は国民の幸福を実現させるためにあります。

「カジノ実施法案」の依存症対策

依存症対策と称するものは3つあります。
・入場料
・入場回数制限
・入場禁止
海外でやられてもので、特に目新しい制度ではありません。それぞれを検証します。
1.入場料

第百七十六条 国は、入場者(本邦内に住居を有しない外国人を除く。以下この節において同じ。)に対し、当該入場者がカジノ行為区画に入場しようとする時に、三千円の入場料を賦課するものとする。

第百七十七条 認定都道府県等は、入場者に対し、当該入場者がカジノ行為区画に入場しようとする時に、三千円の認定都道府県等入場料を賦課するものとする。

通常6,000円と言われてますが、その内訳は国3,000円、自治体3,000円です。
モデルとしてるシンガポールでは8,000円で民間の福祉団体が受け取ります。
入場料には2つの考え方があります。
・高くすれば貧乏人は排除できる。
・賭けは、まず入場料6,000円を取り戻すことから始まり却って、のめり込むので、取るな。
 編集者はこの考えが有力とみてます。

いずれにしろ、入場料をいくらにすれば依存症対策に有効かは誰にも言えないでしょう。

2.入場回数制限
 「⽇本⼈等の⼊場回数を連続する7⽇間で3回、連続する28⽇間で10回に制限」と報道され「7⽇間で3回」は十分依存症だといわれてます。

第六九条

 四 本邦内に住居を有しない外国人以外の者であって、カジノ施設に入場し、又は滞在しようとする日(次号において「入場等基準日」という。)から起算して過去七日間において第百七十六条第一項の規定により入場料を賦課されてカジノ行為区画(入場し、又は滞在しようとするカジノ施設以外のカジノ施設のカジノ行為区画を含む。)に入場した回数及び同条第三項の規定により入場料を再賦課され、又は同条第五項の規定により入場料を再々賦課された回数(同号及び次条第一項において「入場等回数」という。)が既に三回に達しているもの(直近の賦課入場時(第百七十六条第一項の規定により賦課された入場料の納付後初めてカジノ行為区画に入場した時をいう。)、再賦課基準時(同条第二項に規定する再賦課基準時をいう。)又は再々賦課基準時(同条第四項に規定する再々賦課基準時をいう。)(同号において「賦課入場時等」という。)からそれぞれ二十四時間を経過するまでの間にある者を除く。)

非常に分かり難いです。要はここにある条文を合わせ読むと、日本人と日本に住居がある外国人は「⽇本⼈等の⼊場回数を連続する7⽇間で3回、連続する28⽇間で10回に制限」になります。連続して24時間を1回とします、24時間を越えると2回目になり再び入場料をとられます。ただし24時間以内の出入りは回数に数えません。(カジノは通常24時間365日です。)

ここで重要なことは、制限は1カジノ場のことなのか曖昧です。あり得ないことですが、1カジノ場とすれば東京、横浜市、千葉市にカジノができれば1ヶ月、30日通えます。

複数カジノの合算の制限は技術的には簡単です。入場にはマイナンバーカードを使用するので、ICチップに回数を書き込むか、入場情報はカジノ管理委員会に直ちに報告されるので(第70条 3)、そのサーバーで確認できます。報告は事実上オンライン送信でしょう。
サーバーで確認できる項目は第69条の4,5にこの辺のことが書いてありますが、やっぱり曖昧です。カジノ側では入場回数の履歴は保存しない(させない)前提?

マイナンバーカードの取得は10%程度のようです(2018.5)。カジノに行きたくてどくらいの位が人が取得するのか興味があります。

「日本に住居がある外国人」とは何か?

第七十条 ……本邦内に住居を有する外国人であって住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の四十五の表の上欄に掲げる者(以下この項において「中長期在留者等」という。)….

日本に住居があっても、入場料を払いたくなければ「トボケテ」パスポートだけみせれば良いのでは?。多分パスポートの情報だけでは日本に住居があるかはカジノの入場時には確認できないでしょう。できることは、パスポートをみて日本に何日滞在してるか位でしょう。入場時にパスポートをめくってこんなことしてられないと思います。

ついでに、日本人であっても、国内に住居が無い人は(例えば海外で長期活動してる人を想定)マイナンバーカードを持てないので個人認証が困難です。そこで、苦心の方法が第七十条にあります。興味がある方はご覧ください。(そこまでやってカモが欲しいか?)

3.入場禁止
例えば、親が仕事をほったらかしてカジノに行くので、子供等が申請して親を入場禁止してもらう制度です。
しかし、海外では長男が入場禁止したのに、次男が禁止解除とかもあるようです。

第六十八条
一 入場者(カジノ行為区画に入場しようとする者及びカジノ行為区画に入場した後当該カジノ行為区画に滞在する者をいい、業務として入場する者その他の政令で定める者を除く。以下同じ。)又はその家族その他の関係者の申出により当該入場者のカジノ施設の利用を制限する措置

サラッと書いてます。本人が制限を拒否した時はどうする。「家族その他の関係者の申出により」これらの間で制限可、不可でもめたらどうする。関係者とは何か?例えば、本人に金を貸してる人が返してもらえないと困るので、本人に黙って入場禁止にできるか。また、一旦禁止すると解除はできないのか。

第七十一条 カジノ事業者は、カジノ施設の適正な利用を確保するため、カジノ管理委員会規則で定めるところにより、カジノ施設において入場禁止対象者を発見するために必要な措置、カジノ施設において入場禁止対象者を発見した場合においてこれをカジノ施設から退去させる措置その他入場禁止対象者によるカジノ施設の利用を防止するために必要な措置を講じなければならない。

入場禁止を、カジノ業者に申請し、カジノ業者はカジノ管理委員会に報告、カジノ入場時にカジノ管理委員会のサーバーで確認する、になるでしょう。オンライン申請時代ですので、カジノ管理委員会のホームページからの申請も可能にすることはできるでしょう。

マネーロンダリング

マネーロンダリングとは犯罪で得たお金を使用し、その出ところを聞かれてもバレないようにすることです。競馬で儲けたとかも考えられますが、どこの競馬場で何日の何レースかとか聞かれるのでバレやすい?。競馬もマネーロンダリングもやったことないので理屈の話です。カジノでのマネーロンダリングする方法としてよく言われてるのは金をチップに交換し、賭け事をしないでチップを現金に交換して儲けたことにする。又は、親分が数人の子分をつれて行き、子分が交換したチップをそのまま親分に渡し親分が現金化する。親分、子分がカジノに入場できるかは置いての話です。ここでは一般客のこと限定にします。VIPルームではまた他の手口があるそうですので別の項で紹介します。

マネーロンダリングを防ぐにはカジノ内でチップの取り扱いをどうするかです。「カジノ実施法案」では次のようになってます。

 (入退場時の本人確認等)

第七十条  
・・・・

三 当該入場者がカジノ行為区画に入場したときは、その入場した日時及び当該カジノ行為区画から退場した日時

 四 前三号に掲げるもののほか、カジノ管理委員会規則で定める事項
・・・・

3 カジノ事業者は、入場者をカジノ行為区画に入場させたとき及び当該入場者がカジノ行為区画から退場したときは、カジノ管理委員会規則で定めるところにより、直ちに、当該入場者の本人特定事項その他のカジノ管理委員会規則で定める事項をカジノ管理委員会に報告しなければならない。
・・・・

入退場時の本人確認は厳格に行わせるようです。しかし、入場時の現金からチップへの交換、退場時のチップから現金へ交換の額を入れるかは不明です。これがないと、マネーロンダリングや脱税の防止はできません。
その他のカジノ管理委員会規則で定める事項に入るかは不明です。
マネーロンダリングはしないつもりでも、カジノに行きたい人には最大の懸念事項でしょう。カジノ業者にとっては儲けに確実に影響します。それで法案では明確にしなかったと考えます。
 ギャンブル依存症になった人がカジノでどの位損したかの解明には必要です。願わくば、パチンコ、競馬との公営ギャンブルにも取り入れば完璧(?)。

 (チップの譲渡等の防止のための措置)

第百四条 カジノ事業者は、カジノ管理委員会規則で定めるところにより、顧客がチップを他人(自己と生計を一にする配偶者その他の親族(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及び当該事情にある者の親族を含む。)及び当該カジノ事業者を除く。以下この款及び第百七十五条第一項において同じ。)に譲渡すること及びチップを他人から譲り受けることを防止するために必要な措置を講じなければならない。 

2 カジノ事業者は、カジノ管理委員会規則で定めるところにより、顧客がチップをカジノ行為区画の外に持ち出すことを防止するために必要な措置を講じなければならない。

現実には監視カメラで監視する位でしょう。チップを鞄等にいれてそのまま渡すとか、トイレで譲渡とかいくらで考えられます。

 (チップの譲渡等の禁止の表示)

第百五条 カジノ事業者は、カジノ管理委員会規則で定めるところにより、顧客がチップを他人に譲渡し、若しくはチップを他人から譲り受け、又はチップをカジノ行為区画の外に持ち出すことが禁止されている旨を、本人確認区画及びカジノ行為区画に表示しなければならない。

2 カジノ事業者は、カジノ管理委員会規則で定めるところにより、顧客がチップをカジノ行為区画の外に持ち出すことを防止するために必要な措置を講じなければならない。

カジノとはどんな所と冷やかしで来た人々には有効でも、マネーロンダリングを目的に来た人には無意味でしょう。

              マネーロンダリング防止私案

1.全チップにICを埋め込み、チップのICには移動をすべて記録。退場時にチップの移動を確認。
 賭け毎にチップリーダー等が必要にはなります。また、ICチップには誰が現金からチップに交換したかの情報も必要とかの細部の検討は必要です。

2.チップはやめてICカードで管理。入場時は金額をチャージ。賭け事毎に、賭け金を引き落とし、儲けたらチャージ。退場時に残金があれば現金化。
 多分これでは、カジノではないと即却下でしょう。
  

仲介業者ジャンケット

仲介業者ジャンケットとはカジノ実施法 素案-5 仲介業者ジャンケットから冒頭部分を再録します。

裕福層(VIP)がカジノへ行くときは仲介業者ジャンケットが送迎します。内容はプライベートジェット、高級ホテル、リムジンで移動しその費用はタダです。
賭け金も貸して貰えます。賭けの勝敗に結果に関係なく、賭け金の何%かはカジノ業者から貰えるようです。
 東南アジアのカジノは中国人の裕福層で持ってるといっても過言とは言えないでしょう。
しかし、「中国人富裕層は日本のバクチ場・カジノにまず来ない」

この素案では明確に否定は否定はしてません。法案ではどうなってる調べてみましたが、「仲介業者、ジャンケット」の用語は見つかりませんでした。なんせ膨大な法案なので見落としがあるかもしれませが、「仲介業者、ジャンケット」は肯定も否定もしてないことになります。
 それでは、カジノ関連業務をとして可能かを散らばってる条文を拾ってみました。

第二条
・・・・
13 この法律において「カジノ行為関連景品類」とは、次に掲げるものをいう。

 一 顧客をカジノ行為に誘引するための手段として、カジノ事業者がカジノ行為に付随して相手方に提供する物品、金銭、役務その他の経済上の利益

 二 顧客をカジノ行為に誘引するための手段として、カジノ事業者その他の事業者が商品の販売、役務の提供その他の取引に付随して相手方に提供する金銭その他の経済上の利益であって、第七十三条第六項に規定するチップと交換することができるもの(前号に掲げるものを除く。)

 一 顧客をカジノ行為に誘引するための手段として、カジノ事業者がカジノ行為に付随して相手方に提供する物品、金銭、役務その他の経済上の利益

 二 顧客をカジノ行為に誘引するための手段として、カジノ事業者その他の事業者が商品の販売、役務の提供その他の取引に付随して相手方に提供する金銭その他の経済上の利益であって、第七十三条第六項に規定するチップと交換することができるもの(前号に掲げるものを除く。)
・・・・・

これらを解釈して、カジノ業者自ら又は外部業者が「ジャンケット」を行えるか、編集者には判断できません。

2018.5.27追加

 (カジノ施設における物品給付等の制限)

第九十二条 カジノ事業者は、第九十五条第一項の認可を受けた契約に基づき当該契約の相手方が物品の給付又は役務の提供をする場合(第百条第一項の認可を受けた許諾に係る再委託により当該再委託を受けた者が物品の給付又は役務の提供をする場合を含む。)を除き、カジノ施設において、当該カジノ事業者以外の者に入場者に対する物品の給付又は役務の提供をさせてはならない。

2 カジノ事業者以外の者は、前項に規定する場合を除き、カジノ施設において、入場者に対し物品の給付又は役務の提供をしてはならない。

からはジャンケットは排除してると思われる。
2018.5.27追加終わり

仮に「ジャンケット」ができたとして当然経費が掛かります。この経費はどうなるのでしょう。

 (認定設置運営事業者等が行う業務の会計)

第二十八条 認定設置運営事業者等は、設置運営事業等について、国土交通省令で定めるところにより、その事業年度並びに勘定科目の分類及び貸借対照表、損益計算書その他の財務諸表で国土交通省令で定めるもの(第八項において「財務諸表」という。)の様式を定め、その会計を整理しなければならない。

2 認定設置運営事業者は、国土交通省令で定めるところにより、カジノ業務、カジノ行為区画内関連業務及び第二条第一項各号に掲げる施設ごとの業務並びにそれら以外の業務に係る経理をそれぞれ区分して整理しなければならない。

「ジャンケット」に掛かった費用は明確になると思われます。

関連1

 (業務方法書)

第五十三条 業務方法書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 カジノ行為業務及びこれに附帯する業務に関し、カジノ行為の種類及び方法に関する事項(賭金額、払戻率その他のカジノ行為に関する事項を含む。)、顧客に対する情報提供の方法に関する事項、カジノ行為が公平かつ公正に行われることを確保するための措置に関する事項、顧客のカジノ行為への誘引のための措置に関する事項並びに広告及び勧誘に関する事項
・・・・
 五 特定金融業務を行おうとするときは、その種別及び内容に関する事項

 六 カジノ行為区画内関連業務を行おうとするときは、その種別及び内容に関する事項
・・・

これから、「ジャンケット」を行うかは明確なるのと考えます。「五 特定金融業務を行おうとするときは、その種別及び内容に関する事項」から賭け金を貸すことで、「ジャンケット」には絶対必要なことです。ただし、「特定金融業務」に関して他の条文で厳し制限があります。

関連2

 (取引の届出等)

第百九条 カジノ事業者は、顧客との間で、カジノ業務に係る取引のうち、チップの交付等をする取引その他の政令で定める取引であって、政令で定める額を超える現金の受払いをするものを行ったときは、カジノ管理委員会規則で定めるところにより、遅滞なく、当該取引の内容、金額その他カジノ管理委員会規則で定める事項をカジノ管理委員会に届け出なければならない。

VIPと言え無制限の額を賭けられらないことになりそうです。その額は「カジノ管理委員会規則で定める」とあります。この法案は肝心の所はこの手で逃げます。

コンプ

コンプとはIR施設内で消費した場合に、その金額に相当する金額を他の施設を利用するとき割引してもらえます。買い物をしたときに貰えるポイントと考えると分かり安いでしょう。例えばIR内のホテルで宿泊したとき、カジノ入ったら入場料に相当する金額のポイントが貰えると言ったことです。逆にカジノへ入ったことの証拠を示せば、入場料相当分のホテル宿泊代を割り引くことも考えられます。アメリカのカジノではこの費用が結構かさみ収益を悪化させてるそうです。
米国のカジノ  IRカジノが破綻した街から

2.大量のお客を呼ぶためのコンプ(無料割引サービス)の負担が大きくなります。
*ボルゴタの場合、1、154万人を対象にしたコンプ費用に約2.2億ドル、(約264億円)カジノ収益の約35%を費やしてます。
*ラスベガス・ストリップ地区(43カジノ)でもカジノ収益の30%がコンプ費用で、全体で約15億ドル(約1,800億円)の赤字!
*日本で黒字にするのは大変です!

法案ではどうなってるか検証します。ポイントはコンプそのものを認めるのか、コンプを認めたとしてその費用は税法上は損金(経費)になるかです。

第七十三条
・・・・・・・
8 カジノ事業者は、顧客にチップの交付等をするときは、カジノ管理委員会規則で定めるところにより、顧客から、現金による支払のほか、元本の拠出があり、かつ、容易に換価することができるものとしてカジノ管理委員会規則で定める支払手段又はカジノ行為関連景品類であってこれと引換えにチップの交付等をするものとして顧客に提供されたもの以外の手段による支払を受けてはならない。
・・・・・・・・・

「カジノ管理委員会規則で定めるところにより」現金以外でも、例えばポイントカードでもよくなりそうです。ついでに言えばクレジットカードも、消費者金融のカードも、各種電子マネーの何でもありになる。
依存症、破産へまっしぐら。
シンガポールでは現金(シンガポールドル)のみのようですが、ATMがカジノ区域外にあるそうです。

第七十三条 9 では本邦内に住居を有しない外国人はクレッジトカードの利用を明文化されてます。

現在ポイントは提供する方は「贈与」受け取った方は「一時所得」とするらしい。そうなるとカジノ業者は税金で払うよりコンプで集客につかった方が良いと考える?
ついでに、IR全体の収益には通常の会社と同様に所得税や地方税、固定資産税等がかかると考えられます。そうなるとカジノ納付金は経費になるのか、ガソリンのようにガソリン税に消費税をかけ2重課税かは不明。

カジノ業者の金貸し

時代劇では負け込んだVIPに「若旦那、札を回しますので、もっと遊んでいって下さいな」あとは地獄をみるのが、定番です。
法案ではカジノ業者の金貸しや為替(外貨の両替)ができることになってます。

第三章 カジノ事業及びカジノ事業者
  第二節 カジノ事業者が行う業務
   第四款 特定金融業務(第七十六条-第九十条)
で連綿と書いてます。
 海外ではジャンケントが行っています。マネーロンダリングの温床でもあります。貸した金は返してもらわらなければなりません。これら記録を残せとか、強引な取り立てをするなとか詳細にあります。
しかし、金貸しには当然貸し倒れがつきものです。貸し倒れと諦めまるまで、損金になりません。収益の悪化をさけるため損金処理をしないのは一般的な手法です。
 それでは、入場料6,000円だけもって、儲けたら返すからチップ代借しては、理屈的には可能でもできないでしょう。身許が知れてるVIPだけでしょう。

 カジノ業者の金貸しを容認するとは想定外でした。

釣書(応募書)

自分の県民、市民、村民の「自殺、破産」をものともしないでカジノをやりたい自治体は国土交通大臣に釣書を出すことになります。口を開けてまっていても認可されません。所詮、日本ではカジノの経験がありません。例え、どんなに経験豊かな海外のカジノ業者でも日本のことはやってみなければわかりません。如何に最もらしい嘘を書くかです。釣書を書くこと自体バクチです。
関連条文は以下です。

第二章 特定複合観光施設区域
  第一節 区域整備計画の認定等(第五条-第十四条)
これら条文を丹念に読むのは大変です。
編集者が注目したことのみします。

第五条 国土交通大臣は、特定複合観光施設区域の整備のための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
・・・・・・

要は、釣書に書かせる内容を「国土交通大臣」に作らせることになります。

(区域整備計画の認定)

第九条 都道府県等は、設置運営事業等を行おうとする民間事業者と共同して、基本方針及び実施方針に即して、特定複合観光施設区域の整備に関する計画(以下「区域整備計画」という。)を作成し、国土交通大臣の認定を申請することができる。
・・・・
 
区域整備計画には、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 区域整備計画の意義及び目標に関する事項

 二 特定複合観光施設区域を整備しようとする区域の位置及び規模に関する事項

 三 設置運営事業者等の名称及び住所並びに代表者の氏名

 四 特定複合観光施設を構成する施設の種類、機能及び規模に関する事項並びに設置運営事業等及び設置運営事業者等に関する事項その他の設置運営事業等の基本となる事項に関する計画(以下この章において「事業基本計画」という。)

 五 前各号に掲げるもののほか、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する施策及び措置に関する事項

 六 前各号に掲げるもののほか、カジノ事業の収益を活用して地域の創意工夫及び民間の活力を生かした特定複合観光施設区域の整備を推進することにより我が国において国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するための施策及び措置に関する事項


 七 カジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行うために必要な施策及び措置に関する事項


 八 区域整備計画の実施により見込まれる経済的社会的効果に関する事項

 九 第百七十九条第一項に規定する認定都道府県等入場料納入金の使途に関する事項

 十 第百九十三条第一項に規定する認定都道府県等納付金の使途(当該認定都道府県等納付金を立地市町村等その他の関係地方公共団体に交付する場合には、その条件を含む。)に関する事項

「基本方針」に基づき「区域整備計画」釣書を書くことになりますが、その項目は国土交通省令で定める一から十になるでしょう。
本来六、七は国が考えること。地方に押しつけるな。八は最大の難問。6,7,8は各自治体の「作文力」にかかってくる。お手並み拝見。
法案を考えた人はカジノ反対で、難題を押しつけて申請者が出ないようにしてるのかもしれない。念のため冗談です。

<第九条> 続き

7 都道府県等は、区域整備計画を作成しようとするときは、公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。

8 都道府県等は、第一項の規定による申請をしようとするときは、その議会の議決を経なければならない。

10 第一項の規定による申請は、基本方針の公表後の政令で定める期間内にしなければならない。

11
 七 その認定をすることによって、認定区域整備計画の数が三を超えることとならないこと。

8は推進法の付帯決議にあります。
10は住民対策、議会対策や作文に手間取ってると時間切れで申請はできなくなる。
第九条11七でカジノの数は三とでてきます。

認可されてから工事が始めるわけですが、住民反対運動で着工できないとか、軟弱基盤等で工事に時間がかかことも考えられます。認可されてから何年内に営業しなければ認可を取り消すといったことはないようです。
法案が成立してから、政令が出て、カジノ業者を決め、釣書を書いて、住民の意見を聞き、議会の審議と道のりは長い。見切り発車で今からスタートしないと焦ってる自治は当然あり得る。 

賭博罪の例外

競馬、競輪等は「公営競技」で公営でやってるから賭博でないとされています。これは裁判の結果です。カジノはカジノ業者がやるので賭博罪に当たるので議論になるはずです。

第三十九条 認定設置運営事業者は、カジノ管理委員会の免許を受けたときは、当該免許に係るカジノ施設において、当該免許に係る種類及び方法のカジノ行為に係るカジノ事業を行うことができる。この場合において、当該免許に係るカジノ行為区画で行う当該カジノ行為(第三十条第二項の規定による設置運営事業の停止の命令若しくは第二百四条第一項若しくは第二項の規定によるカジノ事業の停止の命令又は第二百六条第八項の規定に違反して行われたものを除く。)については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条及び第百八十六条の規定は、適用しない。

とアッサリ書いてます。
第185条、第186条はこちらです

法律には「格」があります。刑法は横綱で法案は格下です。格下がアッサ無効によいものでしょうか。本来は「カジノは例外と刑法」を変えるべきと思います。専門家の意見をお聞きしたい。

カジノ部分の面積

IR全体でカジノ部分の面積のことです。国会で安倍首相は確かカジノを過小に表現するため3%と言っていた。安倍首相の言うことに一々反応すると身が持たないが、3%はよく言われてます。海外のカジノ業者はブーブーいってるようです。法案では以下のようになってます。

第四十一条
・・・・
 七 申請認定区域整備計画に記載された特定複合観光施設区域におけるカジノ施設の数が一を超えず、かつ、当該カジノ施設のカジノ行為区画のうち専らカジノ行為の用に供されるものとしてカジノ管理委員会規則で定める部分の床面積の合計が、カジノ事業の健全な運営を図る見地から適当であると認められるものとして政令で定める面積を超えないこと。
・・・・

見事先送りです。3%以上でも3以下にもなり得ます、カジノ業者にとってはどう解釈するか。
これ以外にもカジノ業者にとって不満なのは下記でしょう。
・入場料6,000円
・入場時のマイナンバーカードを使用する。
・「管理委員会規則で定める事項をカジノ管理委員会に報告しなければならない。」
 (第七十条 3)
 これで入場者の勝ち負けを送る可能性が出てきます。入場者にとっても大変不満です。ギャンブルでの儲けには税金がかかります。
 

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